2025.12.10 Wed

2025年、事務所移籍という大きな転機を経てリリースされた手島章斗の最新デジタルシングル『黎明』。タイトルが象徴するように、この楽曲は彼の新しいスタート、そして「夜明けの光」となる明確な意志表示だ。

2025年、事務所移籍という大きな転機を経てリリースされた手島章斗の最新デジタルシングル『黎明』。タイトルが象徴するように、この楽曲は彼の新しいスタート、そして「夜明けの光」となる明確な意志表示だ。

自身のキャリアの悩み、役者と歌手の活動の両立から生まれた哲学、そしてレコーディングで妥協を許さなかったニュアンスへのこだわり。「誰かの力になりたい」という利他的な境地に至った彼の“今”を伝えるインタビューをお届けする。

――まずは11月に開催した「手島章斗 Birthday Live」について振り返っていただきたいです。

手島章斗(以下、手島):毎年やらせてもらっているんですけど、ミュージカル『新テニスの王子様』が終わってから、約2週間後だったのでバタバタでしたね(笑)。でも皆さんに感謝を伝えたいと思って臨んだので、少しでもそれが伝わっていたら嬉しいです。自分の今できる最善を見せられたかなと思っています。

――「自分は何者で、何をしていくべきなのか。悩むこともあったけど……」というMCも印象的でしたが、改めてどういう心境だったのか教えてもらってもいいですか?

手島:3年前から役者としても活動し始めてきたんですけど、音楽では何を残せているのか‥みたいなことを自問自答していました。でも何かひとつに縛る必要はないなと理解できたんですよね。

僕自身の人間性を応援してくれるファンの方を見て、自分を歌手、役者と括る必要はないなと。どちらの手島章斗が好きかはぶっちゃけあると思いますが、全て込みで好きになってもらえるように僕も頑張っていきたいなと。「赤か青だけじゃなく、紫でよくない?」みたいな。

演技にもアーティスト活動で培った部分は出るし、その逆も然り。全てが繋がっているんだなと感じています。そして、僕の軸にはやっぱり“歌が好きだ”という気持ちがあるので、ここからも変わらずに歌を通して誰かの心に届く音楽を届けていきたいと思っています。

――ではシングル「黎明」について聞かせてください。まずは歌詞にはない、このタイトルはどこから?

手島:日差しや未来の希望が差し込む感じにしたいと思っていて。でも横文字は違うなと思っていたので、パキッと「黎明」としました。

自分の感じたことなどはメモしたりしますけど、普段からアイデアが浮かんでくる訳ではないんです。ただ「曲を書こう」と思ったら日常のすべてがヒントに見えてきますね。

――作曲にはMADLEMONさんとXuonさんもクレジットされています。

手島:MADLEMONさんとXuonさんは音がカッコ良くてお願いしました。ゴスペルっぽくしたいというイメージから、壮大さや神聖さを大事にしつつ曲から作っていきました。最終的にはポジティブな応援歌にできたと感じます。

――歌詞には現代社会についての考えも反映されているとか。

手島:そうなんです。インターネットやスマホが生活の中心になっていて、それでコミュニケーションを取って完結してることが多いなと。例えばLINEなどで揉めたとき「もうこの人とは一緒に仕事できない」とか「深入りしないでおこう」と文面で判断するのは勿体ないじゃないですか。

目を見て話してもないし、相手がどういうテンションで送ったのかもわからない。例えば語尾に絵文字や記号がないのは好みにもよりますから。別にぶつかってもいいし、喧嘩してもいい。「それを面倒くさがらずに人間臭く生きていこうよ」という歌です。歌詞は2週間もかかってないくらいで、すぐできました。

――そのテーマは制作当初からあった?

手島:そういう事例が身近で起きたんですよ(笑)。ただ今はSNSを含めてあちこちで似たようなことがあると思うので。SNSが悪だという訳ではなく、人間の良くない部分が以前より表に出やすい時代になっている気がします。

あとはAIで作った写真や動画がリアルすぎて、数年後には何がリアルで何がフェイクかわからない時代になるのかなと。やっぱりネットで広がる嘘か本当かわからないことよりも自分の目で見たものと肌で感じたものを信じた方がいいなと感じています。

――歌詞に登場する「通知をオフる」という一節も興味深かったです。ご自身も実際に何かの通知を切ったりしていますか。

手島:僕はLINEの通知を全部オフにしてます。ひどいって言われるんですけど、特定の誰かとかではなく家族とかも含めた全員オフ。メッセージの内容は自分のタイミングで見たいから急かされたくない、それだけの理由ですが、レスはめっちゃ早いです(笑)。LINEを使い始めた時からずっとそうですね。

――レコーディングはいかがでした?

手島:完成テイクのボーカルに納得がいかなくて録り直しました。収録されたテイクが今の自分ができる範囲の最大ですね。ピッチなどの細かい部分は後から修正できますが、歌のニュアンスは補正できません。人間がその時に思った、その時に出た一言の質感に自分のこだわりがあります。

――この曲をライブで歌ったときの感触についても知りたいです。

手島:この曲は背中を押す歌なので、リスナーの皆さんに投げかけるように歌いました。余白のなさすぎる歌は、かえって相手の受け取り方を限定してしまうと思っています。曲は聞いてくれた瞬間から、その人のモノになると思うので。エンタメに答えはないからこそ、自分がどんな歌を歌っていきたいか追求していきたいです。

――手島さんは人間同士の直接的なコミュニケーションを重視されているということが理解できましたが、同様にライブも大切にされているということ?

手島:アーティストでライブが嫌いな人はいないと思いますよ。ライブが何よりの原動力ですし、そこで生まれる一体感や、ファンのみんなと空気を共有していく感覚も好きなんです。

そういう意味でいうとグループ時代、コロナ禍で取り組んだ配信ライブはやりづらかったです。スタッフの方たちしかいないスタジオで誰に向かって何を歌っているのかイメージするのが難しくて、違和感はありました。

――AIで音楽も生成できる時代できるようになりました。人間が直接作曲したものではない、ということにもなると思いますが。

手島:音楽AI生成サービス・Sunoを使ったことがありますが、生成された曲のクオリティの高さに驚きました。
ヒントを得たり、アイデアを広げるためのツールとして活用するのはとてもいいと思います。ただ、最終的に人の心を動かせるのは人でしかないと思っているので、そこは大切にしていきたいです。

――なるほど。

手島: 僕の曲を聞いてくれた方から、家族の大切さに気づくきっかけになったとか、家族との関係が少し良い方向に動いたとか、転職や新しい生活へ踏み出す後押しになったという声をいただくことがあります。その言葉を受け取るたびに、自分の音楽が誰かの生活の一部に入り込んでいるんだと実感できて、こちらも励まされるんです。

最初のミニアルバム収録曲「Who I am」や「空想ヒーロー」を作った頃は、自分の感情をそのままぶつけていた気がします。当時の曲を今の自分が聴くと、ファンの方たちには重く感じられるものもあるかもしれない。でも、そのリアルさが誰かの背中を押せていたんだと後から気づけたことで、自分の経験や考え方でも人を支えられるんだなと実感できました。

だから今は、意識的に利他的な音楽を作ろうとしているわけではなく、自分の内側を正直に提示することが、結果として誰かの力になれるような、そんな音楽の形を目指しています。

――今後はどんな曲を作るかなど構想はあります?

手島:セットリストの場面場面にあったら幅が広がるだろうな、と思う曲調が明確にあるんですよ。特に必要なのは圧倒的な1曲目ですかね。日本武道館でライブするのが夢だというのもあり、ライブ基準で楽曲を作ることが多いです。

――Xでは「ニンニクって曲作る?」とポストされていましたが、それについては?

手島:絶対作らないですね(笑)。でも僕はああいう日常の何気ないことからヒントを得ることは多いです。以前発表した「脳内パズル」もめちゃくちゃオシャレな歯磨きの曲を作ろうと思ってできたんですよ。ニンニクって好きな人も多いけど、匂いの面で苦手な人も多いじゃないですか。(笑)

「いっときの欲に負けて翌朝に後悔する」とか「好きだけど嫌い」って不思議じゃないですか。そういうイメージを膨らましてます。

――なるほど。2025年は事務所を移籍するという大きな出来事もありましたが、1年を振り返っていかがです?

手島:めちゃくちゃ変化ですね。リリースもできてよかったです!演技だけでなく自分の音楽面でももっと仕掛けていきたいです。

だからこそ、今年出した「ユートピア」と「黎明」は“変わらずに僕は歌っていく”“自分の思想、大切なことはここにある”という意志表示の曲たちでした。そして今も制作期間に入っていて、次の作品ではまた新しい自分も見せていければと思っています。楽しみにしていてほしいですし、僕もとてもワクワクしています。そういう意味でも今年は自分にとって「黎明」新しい始まりを感じた年だったなと思います。

【手島章斗(てしま・あきと)】
広島県尾道市出身。尾道市観光大使。
2013年にボーカルグループ「SOLIDEMO」としてメジャーデビューし、第56回日本レコード大賞新人賞を受賞。
グループ卒業後はソロアーティストとして活動を開始し、伸びやかな歌声と確かな表現力を武器に、ポップスからバラードまで幅広い楽曲を届けている。

俳優としても活動の幅を広げており、ドラマ「Gift」への出演をはじめ、
ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」、「新テニスの王子様」、「レイディ・べス」など話題作に参加するなど、役者としての活動も広げている。

2025年はデジタルシングル「ユートピア」「黎明」をリリース。
アーティストとしても役者としても新しい挑戦を重ね、表現の幅を広げ続けている。

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